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こんにちは、モア像(@two_2_more)です。
僕は、YouTubeや各SNSでLGBTQについて配信していることもあり、初対面の人でも自分のことはオープンに話します。LGBTQ当時者にも、そうでない人に対してもです。
そして、カミングアウトの話をすると大抵のストレートの方から言われること…
見はないけど、どう反応していいか分からない。色々聞いてもいいの?もし何か聞いて相手を傷つけてしまったら?
今回はこういった疑問にお答えします。
目次
カミングアウトされたらどう反応する?
一言「そうなんだ。教えてくれてありがとう」
まず、カミングアウトされたら「第一声目に何と返答するのが正解?」と思われる方も多いはず。
結論から言うと、カミングアウトした側は特に特別な言葉は求めていない場合が多いです。ただ自分を受け入れて欲しいと強く願っています。
僕が人生で初めてカミングアウトをした時、相手から言われたことは「へぇそうなんや。それで?」でした。
「えっ、それだけ?」と思われた方も多いはず。
何ともあっけない返答ですよね。ただ僕は、こんなに「普通」なこととして受け入れられるんだ。と泣きそうなくらい感激したのを今でも覚えています。
- 今まで辛かったね。よく頑張ってきたね
- 力になれることがあれば何でも言ってね
- 僕に言ってくれるなんて嬉しい。ありがとう
など、なんでもいいんです。ただ勇気を持ってカミングアウトした側の人を優しく包んであげましょう。
深入りして聞いていいかどうかは相手の反応をみて
今まで何度とカミングアウトをしてきましたが、カミングアウトした後に決まって起こること。それは質問の嵐です。
- どうして今まで言ってくれなかったの?
- 他にLGBTQの友達っているの?
- どうやってセックスするの?
- 女側?男側?
など、カミングアウトをされた側にとっては聞きたいことだらけですよね。
ただ、そういう深掘りした話しは相手の反応をみて聞きましょう。
僕は質問されると「興味を持ってくれてるんだ」と感じるので嬉しいのですが、中にはカミングアウトをしたけれどそういうプライベートな話はあまりしたくない。という方も多いです。
ましてや、「ウケなの?タチなの?セックスってどうやってするの?」などのかなりパーソナルな質問は最初は控えるべきです。
今まで通り接してあげるのがベスト
僕は、今まで友人にカミングアウトをしてきて、幸いなことに「受け入れられない」と言われたことはないです。
また、みんなが今まで通り変わらず僕と接してくれます。
LGBTQ当時者にとって何より嬉しいことは「今まで通りの変わらない関係でいてくれること」だと思います。
そうすると、あなたから質問をしなくても当事者の方から色々打ち明けてくれるときがくると思います。
カミングアウトされたら話す内容に要注意
ここに、カミングアウトをされた返答として気をつけておいた方がいい言葉遣いや質問を載せました。
ホモ、レズ、オカマ、オナベという言葉を使わない
これは、人によれば差別にあたる言葉です。
特にオカマやオナベは言わないようにしましょう。
僕も学生の頃、ずっとオカマと言われていました。
女っぽい=オカマでもないし、ゲイ=オカマでもないです。
普通、ノーマルという言葉を使わない
これ、一見なんてない言葉に思えますが、LGBTQ当時者にとって「普通」という言葉は結構、かんに触る言葉です。
「普通の恋愛は…」などと言われると、僕たちからすれば男同士の恋愛が”普通”の恋愛です。
また「普通のデートは…」などと言われると、「同性カップルも”普通”のデートをしてるよ」と言われるかもしれません。
男同士、女同士のセックスってどうするの?
僕がよくされる質問として…
男性同士のセックスってどうやってするの?どこに入れるの?
痛くないの?
などと聞かれます。僕はよく…
男女のカップルと同じだよ?まぁ入れるところは違うけど
そっちの穴使ったことある?
と答えることが多いです。
ただ「入れる行為」だけがセックスではないです。
まだ近年、ペニスがヴァギナかアナルに挿入されないとセックスとは言えないという社会通念があるように感じます。
ただ、僕は人それぞれいろんな楽しみ方があっていいと思います。
実際、僕の友達にもバニラセックス(前戯が中心のセックス)専門という人はいっぱいいます。
僕のこと襲わないでね?
これは僕が一番「あれ?」と感じてしまうことなんですが、これストレートの方から結構100%に近い確率で言われます。
「なんでなんだろう?」とよく感じますが、個人的な意見として「ゲイの人=誰でもいける」というイメージがあるんだと僕は思います。
それはやはりメディアのイメージが大きいですね。
テレビなどの大きなメディアでは”オネエ”と呼ばれる人たちが誰にでも色こき、笑い者にされている場面をよく見かけます。
ただ、ストレートの方にもタイプというものがあるように、もちろんLGBTQ当時者にも人それぞれタイプや好みがあります。
「ゲイ=誰でもいける」ではないですし、言われた本人は結構な確率で「いやいや、誰でもいけるわけねぇし」って思ってるはずです。
ゲイバーとか行ってみたいねんなぁ
これもそうですが、「ゲイ(もしくはLGBTQ当時者)=ゲイバーにいく」という考えはやめましょう。
さらにゲイバーに行ったことがない人からは…
ゲイバーって楽しいの?ゲイの人ばっかりなの?
うーん。あんまり行かないからそんなに詳しくないけど、普通のバーとあまり変わらないと思うよ?
などと答えると…
なんでやねん。お前ゲイやんけ
と言われることもあります。
実際、僕は堂山(大阪)や新宿2丁目(東京)などの、ゲイバーやゲイクラブが沢山あるゲイエリアと呼ばれるところへはほとんど行きません。
人生で本当に数えるくらいしか行ったことがないです。
なのでLGBTQの人がみんな、そう行ったエリアで楽しいんでいるということではないです。
先ほどのトピックでもそうですが、まずは固定概念を捨てましょう。
絶対にやってはいけないこと【アウティング】
アウティングとは?
アウティングとは、他人の秘密を本人の許可なく別の人に伝えることで、人のセクシャリティを勝手に第三者に言いふらすことという意味でよく使われます。
これを聞いて…
あっ、もしかするとアウティングやってしまってたかも
と思った方いないですか?
アウティングは本当に危険な行為です。
逆に考えてみてください。
あなたがどうしても言えない秘密があるとします。勇気を持って信頼している人に伝えたのに、その人があなたの秘密を第三者にバラしてしまったとしたら。
しかもその秘密があなたの人生を左右する秘密だとしたら。
その後のあなた達の関係は言わずとも分かりますよね?
アウティングで人が命を落とす
「一橋大学アウティング事件」というのをご存知でしょうか?
2015年、一橋大学法科大学院の男子学生A君が同級生のB君に対し、LINEで「好きだ。付き合いたい」などのメッセージを送って告白をしました。
B君は「付き合うことはできないが、これからも良い友達でいたい」と返答をしました。
しかしその後、B君は同級生である友人多数が見ているLINEグループに「A君はゲイだ」と発信しA君が同性愛者であることを暴露しました。
その後、A君は授業でB君と一緒になると吐き気や動機が生じるといったパニック障害の発作を起こすようになり、最終的には投身自殺をしたのです。
今日、カミングアウトという言葉をよく耳にしますが、本来「カミングアウト」はあなたが思う以上に重いことで、人の人生を変えるほどの力を持っているということを忘れないで欲しいです。
逆に考えれば、もしあなたが誰かからカミングアウトを受けたなら、「人生を変えてでも伝えたかったこと」を”自分”に伝えてくれたんだという事を一度考えてみて欲しいと思います。
また、LGBTQ当時者がカミングアウトをするまでに、どれほど悩んでいるかはこちらの記事をご覧下さい。
カミングアウトされた時に気をつけることをまとめました
- カミングアウトされたら「伝えてくれてありがとう」と感謝の気持ちを述べよう
- 色々質問したい場合は相手の反応、自分たちの関係性を把握してからにしましょう
- 差別にあたる言葉は避ける
- 今まで通り変わらず接してあげるのがベスト
- アウティングで人が命を落とすという事を忘れない。
これだけ気をつけていれば大丈夫です。
あとは親身になってカミングアウトした相手の話を聞いてあげましょう。